みなさん相続を経験したことは、ありますか?私は、まだありません。「うちは財産がないから大丈夫」という方もいますが相続のトラブルは財産の多い少ないとは関係ないようです。
2020年の司法統計によると家庭裁判所に申し立てられた遺産分割事件は5,801件で,その内の2,017件が遺産額1000万円以下の案件でした。相続トラブルは誰にでも起こりうる非常に身近な問題だと考えておいた方がいいです。
故人が遺言書を残していた場合は、原則として遺言書に従って遺産を分けることができます。問題は遺言書がなかった場合です。
私の妻のご両親は他界しておりますが、私の両親は健在です。幸い私の親はだいぶ前に遺言書を作成済です。私は4人兄弟の末っ子で姉が3人いる長男です。実家は昔からの農家です。兄弟の仲は良いですが、やはり遺言書があった方が安心です。
私の祖父が亡くなった時に、私はまだ大学生でしたが、親戚で揉めていたのを覚えています。遺言書はありませんでした。この時の苦い経験があったので、私の両親は早々に遺言書を用意したのだと思います。
遺産分割協議
遺言書がない相続は、法定相続人全員で遺産の分け方を話し合う「遺産分割協議」を行います。 遺産分割協議に先立って、法定相続人が誰なのかを確定する必要があります。
親に離婚歴や再婚歴があれば、知らなかった兄弟姉妹がいたことが発覚することもあります。そんな時は、その兄弟姉妹も遺産分割協議に参加しなければ、故人の預金の解約や不動産の名義変更ができなくなってしまいます。
そもそも、故人の財産が分からない場合も面倒です。是非、遺言書は残しておいて欲しいですね。
相続放棄
ご存知ない方も多いと思いますが、もし亡くなった親に多額の借金があった場合、亡くなってから3ヶ月以内に家庭裁判所で相続放棄の手続きをしないと、相続人が借金を相続することになってしまいます。注意してください。
遺言の種類
遺言とは、生前に自分の意思を表示しておくことをいいます。また、遺言によって財産が相続人等に移転することを遺贈(いぞう)といいます。
遺言のポイント
◎満15歳以上で意思能力があれば、誰でも行うことができます。
◎いつでも、全部または一部を変更することができます。
◎遺言書が複数出てきた場合は、作成日の新しい方が有効になります。
◎遺言者の死亡前に受遺者(遺贈で財産をもらう人)が死亡した場合、その効力は生じません。
◎被相続人は、遺言によって5年以内の期間を定めて遺産の全部または一部について、その分割を禁することができます。
自筆証書遺言
遺言者が遺言の全文、日付、氏名を自分で書いて押印します。財産目録を添付する場合、ページ毎に署名・押印すれば、その目録はパソコン作成しても大丈夫です。証人は不要ですが、検認は必要です。検認というのは、家庭裁判所が遺言書を確認し、遺言書の偽造等を防止するための手続きです。
原本は法務局で保管することもできます。法務局に保管した場合は、検認は不要になります。
公正証書遺言
遺言者が口述し、公証人が筆記します。2人以上の承認が必要ですが、検認は不要です。原本は公証役場に保管されます。未成年者、推定相続人や受遺者(その配偶者や直径血族も含む)は証人になれません。私の親は、この「公正証書遺言」で遺言を残しております。
秘密証書遺言
遺言者が遺言書に署名・押印して、封印し、公証人が日付等を記入します。遺言の内容を秘密にして、存在だけを証明してもらう方法です。2人以上の承認や検認も必要ですが、パソコンでの作成や代筆が可能です。未成年者、推定相続人や受遺者(その配偶者や直径血族も含む)は証人になれません。
まとめ
いかがですか?遺言書って大事ですよね?まだ、親御さんが遺言書を書いていないようであれば、書いてもらいたいですよね?強くおすすめします。
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